3月の終わり頃から、季節が春に変わりました。温かな日差しと気持ちの良い気候。桜の花が咲く季節になりました。今年は天気の良い日が続きました。空は晴れ渡り、雨はほとんど降りませんでした。今年、私たちは2週間もの長い時間に渡って桜を眺めることが出来ました。佐賀市内にある桜の名所、例えば佐賀県庁前や佐賀城本丸でも、薄いピンク色の花を木いっぱいに付けた桜を見ることが出来ました。目を奪われる美しさでした。多くの公園、例えば近所にある「川古の大楠公園」などでも、桜の名所として知られている小城公園でも、または佐賀県内各地にある神社、例えば祐徳稲荷神社や佐嘉神社、武雄神社などでも、多くの人が美しい桜を眺めていました。毎年同じようにきれいに咲く桜を眺めるという行為自体は変わらないとしても、今年の桜を眺めることは、気持ちの上では毎年は異なります。なぜなら今年の桜は、平成最後に見る桜になるからです。
私は平成時代の終わりに日本へ来ました。来たばかりの頃は、日本の元号という制度に慣れるまでに少し時間がかかりました。役所に提出する書類から、食べ物の賞味期限の確認に至るまで。Hは平成の頭文字です。平和に成るという意味が込められています。一方、タイには仏暦があります。タイ語でポーソーと書きます。お釈迦様が入滅したときから数えて、タイでは今年は仏暦2562年になります。王様はラマ10世になりました。日本では 元号は、天皇に合わせて変わります。最初の元号から数えると、平成は247番目の時代だったそうです。1989年1月8日から2019年4月30日までが平成時代。その後、2019年5月1日から令和時代が始まりました。ある1日から次の1日への移り変わり。それはまるで毎日普通に起こることのように見えます。しかし1つの時代の終わりと、新しい時代の始まりということでは、私たちの心に与える影響ということでは、非常に大きなものがあります。平成時代の終わりに日本にいたということ、そして新しい令和時代の始まりを迎えたということ。
私はフェイスブックを通じて生中継されるカウントダウンイベントを見ていました。日付が変わる真夜中近く。雨の中、祐徳稲荷神社で行われたイベントの様子を、自分の携帯の小さな画面から見ていました。もし30年前の自分に、2019年の自分が、携帯電話とインターネットを使って、こんな経験をしていることを説明しようとしても、きっと難しいだろうなぁと思います。自分の人生を振り返りながら、1つの時代の終わりと始まりを感じていました。
名前:ノイ
出身:タイ バンコク
日本人の夫と息子と一緒に、佐賀県武雄市若木町で子育て中。
タイにいたときはアート・出版関係で働いていていました。
九州通訳特区ガイドの資格(タイ語)を持っています。